長泉パーカライジング株式会社

パーカー処理・表面処理・塗装の専門メーカー

黒染処理

Black dyed processing

黒染処理(四三酸化鉄皮膜処理・L5処理)

黒染め処理は、浸漬法により鉄鋼および非鉄金属表面に厚さ1μ程度の黒色の不溶解性皮膜を生成させる酸化皮膜であり鉄鋼用の四三酸化鉄皮膜処理(L5処理)・ステンレス用のアルカリ着色、銅および銅合金のエポノール処理があります。

黒染め処理は、主に、美装性・防錆を目的としておりますが、光等の反射防止・熱吸収性の向上、親水性の向上等をニーズとする場合もあります。また、化成皮膜であるため、メッキやコーティング等と異なり、皮膜全体が剥離するようなことはありません。

寸法変化が少ないため、各種精密機械の部品の防錆処理として多く使用されており、欠かすことのできない表面処理のひとつです。

目的

防錆・美装
塗装下地・反射防止
熱吸収・汚染防止

用途

機械部品・光学機器部品
プレス部品・熱交換器部品
精密機械部品・治工具 等

特色

・処理前後における寸法変化・重量変化が極めて少ない。
・皮膜の厚さ・重量は、材質によりほぼ一定である。
・材質に物理的変化を与えない。
 (処理温度が110℃~140℃である)
・美麗な黒色で密着性が良好である。
・科学的に安定しており、200℃以上の高温に耐える。

性質

皮膜組成
鉄鋼用・・・・・・四三酸化鉄(Fe₃O₄)
ステンレス用・・・四三酸化鉄(Fe₃O₄・FeS)
銅・銅合金・・・・酸化銅(Cu(OH)₂・CuO)

皮膜の耐熱性

200℃以上の高温に耐えることができます。

黒染処理 試験成績(軟鋼板による)

試験項目 試験方法 成績
5%塩水噴霧試験 JIS-Z-2371 1/2Hで発生せず
5%修酸スポットテスト MIL-C-13924A
Class 1
良好
摩擦試験 臨時JES-91号
ガラステープ使用
100~200回転
エリクセン試験 試験機(JIS-B7729)使用 9.15mm板が割れるまで異常なし
耐熱試験 電気マッフル炉中 400℃、30min加熱 変色せず
衝撃試験 Ou pont Impact Test
高さ:50cm 重さ:1kg
ポンチ後:1/4インチ
異常なし

 

鋼種別特性

鉄鋼・ステンレス

光沢性の優美な皮膜
強靭・対衝撃・耐磨耗
熱吸収性・汚染防止

銅・銅合金

ビロード状の酸化銅
漆黒の皮膜・耐熱200℃
密着性・耐食性 良好

黒染処理 製品写真